土曜日, 8月 12, 2006

富士山登山~その6 人生初の生身3000メートル越え~

前回は「クライマーズ・ハイ編」とか書いておきながら、そこまでいかなかった。クライマーズ・ハイみたいになったのは確か元祖7合目を過ぎた辺りだったから、まだまだ先の話だった。でも、一応書いておくと、疲れが疲れでなくなり、疲労を感じなくなっていくらでも前に上にと進めるような気分のいい状態になったのだ。

確かに鼓動は早く足の筋肉は悲鳴を上げているのだけど、精神的には実に充実した状態とでも言おうか。文字通り「ハイ」な状態なのである。

ただ、そうはいってもこれまでに経験したことのないきつい登りが続いた。そして、初めて筋肉が悲鳴を上げたのが元祖7合目と、8合目の終了間際だった。歩いているときに「ピキッ」って感じで右腿の裏側のどこかの筋肉の一つがつりそうになったのだ。そのまま登ったら当然つってしまう。で、しばらく休んで、次からは右腿に負担をかけずに左腿を酷使して登った。でもそうすると今度は左足が悲鳴を上げるので、こわごわ右足も使う。何とか大丈夫だ。ごまかしながら元祖7合目に到着したのだが、同じような症状が再び8合目の直前で起きた。ここでもごまかしながらなんとかクリア。幸いなことに、翌日を含めて以後はこの症状は現れなかった(夜中に足をつったけど)。

元祖7合目を越えた辺りで3000メートルをクリアした。当たり前だが飛行機を使わずに3000メートルの高地に生身で立ったのは初めてだ。感慨もひとしおと思いきや、エス丸で高度を稼いでいたためにあまり実感なし。ただ、周囲の景色は圧巻だった。一面に広がる黒々とした溶岩の斜面、どこまでも青い空、動きが目まぐるしい真っ白な雲。はるか下方には上ってきた6合目や7合目の山小屋が見える。その高度感!

ところで、この登山の2日後に吉祥丸の実家に行ったら、父親が富士山登頂経験者だったことをカミングアウトした。これには一同呆然驚愕。しかも富士山登山でいちばん標高差がありかつ長距離の「御殿場口」と思われる所から登ったというのだから驚いた。20代だったそうだが、やはり若いってことはすごいんだねえ。

さて8合目からは子供もあまりぐずらなくなった。ただ、息子がちょっとグロッキー気味になり、その分わがままを言い出したけど。知らないおじさんが「顔が青いし高山病かもしれないよ」と教えてくれた。その後は深呼吸をさせ、水分を頻繁に取ることでしのいだ。

あとはごまかしごまかし。

そしてとうとう、本日の宿がある9合目まで登ってきたのだった。

まだつづく…。