火曜日, 8月 21, 2007

燕岳登山 その1


燕岳の朝は素晴らしかった。左の写真のような絶景が目の前にあり、御来光も見事だった。もちろん、そこに至るまでは通常の登山とはレベルの違うきつさがあったが…。

なにしろ「北ア三大急登」の一つである。登山口である中房温泉から燕山荘まで、平らな場所は30mもなく、ずっと登り。しかもじつに急な登りなんである。
さらに我々はテントを担いでの登りであった。これまたいつもより5kgは重い負荷がかかっていることになる。登山前にスクワットなどやってある程度は鍛えたつもりだったが、甘かった。帰りの下りではもうヘロヘロ。三回くらい足がもつれた。

息子もいつもと違ってきつかったようだ。早々に根を上げザックを放棄して父親に持たせた。
妻もこれまでで最高にきつかったようで汗はダラダラ、顔に生気がなかった。確かに最初の第一ベンチか第二ベンチまでは汗がしずくとなって滴り落ちるのである。妻は高校の部活以来だと言ったが、なるほどここまでの運動は(暑さがあったとしても)ここ数年にないレベルである。

最初の休憩場所、第一ベンチまでがやたらと長く感じられた。6時に出発して第一ベンチに着いたのが6時48分。コースタイムは30分だから、このペースはやや遅い。
もっとも、先を急ぐわけでもなし(本当はテント場確保のため、少しでも早く着いていたかった。実際、我々の到着の十数分後にはでテン場が一杯になってしまった)、子供もいるし、テント担いでいるわけだから、その分は差し引かなければならない。

ちなみにこの日のコースタイムは、
中房登山口(6時)→(6時48分)第一ベンチ(7時)→(7時30分)第二ベンチ(7時45分)→(8時25分)第三ベンチ(8時42分)→(9時33分)富士見ベンチ(9時49分)→(10時30分)合戦小屋(11時10分)→(12時45分)

やはり休憩時間が長くなる。計6時間45分。コースタイムは4時間だから、吉祥丸の予想(早くて5時間、遅くて6時間)よりもかかってしまった。もっとも、純粋な登山時間だけを見ると4時間45分。まあこんなもんでしょ。

ただリーダーは余力を残していなくてはならないのだがそれどころではなかった。バテた。荷物が重かった。最後は富士山登山の時のようにカメの歩みになってしまった。合戦小屋から燕山荘まで1時間35分もかかってしまったのはそのためである(コースタイムは1時間)。

それにしても長い登りだった。荷物がもう少し軽ければ自分のレベルに合っている山だろうが、この荷物を背負ってとなるとやはりきつい。さらなる体力アップ、というか筋力アップを図らなければならない、としみじみ思ったのだった。

合戦小屋辺りからガスがかかってきた。それまでは快晴だったのに。この後翌朝まで晴れることはなく、燕山荘からは楽しみにしていた(それが目的だった)パノラマビューは望むべくもなかった。夕日もなし。すこしがっかり。いや、かなりがっかり。辛い登りのごほうびに絶景が見られないとなると何のために登ってきたのかわからない。少しため息が出た。吉祥丸はいいとして、妻や息子に息を呑むような絶景を見せてあげたかったのだ。
結局、この絶景は翌日拝めることになるのだが、この日はガスのせいもあって更なる疲れが吉祥丸にのしかかったのだった。
それでも天気予報は晴れだったので、明日への望みについてはかなり楽観的だったけど。

持ってきたビールが凍っていて飲めなかったので燕山荘で生ビールを飲むことに。
吉祥丸が大ジョッキ(1000円)、妻が中ジョッキ(800円)、息子がイチゴミルク(600円)也。
これがうまかった! これまでも山でビールを飲んだことはあったが、意外にうまくなかったというのが正直なところだった。高山ゆえの味覚の変化か、疲れすぎて味わうどころじゃなかったか…。
しかし、ここでのビールは下界で味わういつものビールのそれ、いやそれ以上だった。もちろん、汗もかいたしここまで登ってきたという達成感もあるので、さらに格別の味だった。

無事に登ってこられたことへの感謝と、辛い登りをよくぞこなしたという喜びをかみ締めながら、妻と息子と乾杯したのであった。