13日(木)午後8時23分に自宅を出発した。道路はガラガラ。環八を用賀まで走り、すんなりと東名に乗る。東名も順調。目指す御殿場ICまでは1時間ほどのドライブだ。が、実はこの数時間前まで富士山に登るルートについて迷いに迷っていた。初心者が富士山に登るルートは主に3コースあって、1つは「富士宮口」、もう1つが「須走口」、そして「河口湖口」だ。河口湖口はツアー客が利用する人気コースだけど、歩きづらくやや行程が長く、なりより混んでいるという。なので、初めからこのコースは除外していた。
富士宮口はスタート地点が2400mあり、3つのコースのうち最短距離で登れる。須走口のスタート地点は2000mだから400mも違うのだ。これはいつも吉祥丸たちが登っている山の標高くらいの差だ。このハンディは大きい。
また、高山病のことを考えると3000mあたりで一泊というのが最適らしい。しかし、翌日さらに720m(剣が峰までなら776m)も登るのは辛くないか?少しでも前日に高度を稼いでおいたほうがいいのではないのか?となると、須走口は距離が長い分不利だ。一方、富士宮口は岩場が多く急登もあり登りづらいという。でも、息子は岩場が好きだし娘も意外と岩場はこなす。かえってだらだら登るほうが不得手だったりするので、この点では富士宮口に一票、だ。
さらに、須走口の場合、高速の料金と山小屋の料金が高くなる。富士宮口に比べて1万円くらい高いのだ。これも須走口を敬遠した大きな理由だった。
富士宮口なら3460mに山小屋がある。ここに泊まれば翌日は300m弱で頂上だ。高山病さえクリアすればこのルートは魅力的である。もちろん高山病を甘く見ていたわけではない。そのために木曜日から出発したのだし、その行程においても常に深呼吸を心がけるなど、なんとか高地に順応しようとした。
だが、結論から言うと高山病は手強かった。というかやはり甘く見ていたのだ。高山病は2000mを超えた高地で起こり始め、3500m地点では確か80%くらいの人が罹患するという。しかも完璧に高地順応させるには一週間くらいは必要らしい。そういうことを知識として学んでおきながら、「でも何とかなるだろう」という思いが吉祥丸の中にあったのだ。実際、9合目(3460m)まで登ったときは皆平気だったので、「やっぱり大丈夫だった」と思ったものだった。しかし吉祥丸は忘れていたのである。高山病は「高地に達してから4時間~12時間後に襲ってくる」ということを。
登り始めてすぐ高山病の症状を訴える人もいるが、その翌日の朝起きたとき(つまり4~12時間後)に頭痛がしたりすることが多いという。結局、我々も全員がこのパターンにはまった。ただ、息子を除く3人はその症状が軽かったのでなんとかなっただけなのである。深刻な症状を訴えた息子は当然ながらリタイアとなった。そういう意味では息子のリタイアは吉祥丸の責任だろう。酸素のより薄い3460mで一泊することのリスクを甘く見ていたのだ。もしかしたら3000mで一泊しても同じような症状だったかもしれない。でも、460mの酸素濃度の差は標高差以上に大きかったと思われる。
富士宮口なら東名、須走口なら中央なのだが、吉祥丸は環八を走りながら中央高速へのルートは通り過ぎ、用賀へと向かった。結局、最後まで迷ったが、富士宮口にした。吉祥丸はここで致命的な選択ミスをしてしまったのだ
って、まだ東名の入り口かい!早く先に行けっつうの!