木曜日, 10月 04, 2007

槍ヶ岳登山 その3

まずは初日。沢渡でバスに乗って(この時もワクワクじゃなかったなあ)、上高地に着いたのは7時半ごろだった。初秋の平日の上高地は観光客もいないし登山客も少ない。肌寒く、重いザックを前に気持ちが萎える。

軽くストレッチをしていざ出発。

この山行は吉祥丸にとって初めて一人での山歩きとなるので、子供や妻のいない自分のペースというものが、いわゆる普通のコースタイムと比べてどうなのかを知るチャンスだった。

前回の涸沢では明神まで1時間半かかっているが、どんなもんだろうと思いながら、でも、別段急ぐわけでもなく歩いていたら、なんと38分で着いてしまった。コースタイムは50分だから結構早い。気をよくした吉祥丸は休憩も取らずに次の目的地、徳沢へ。42分で着いた。これもコースタイムより20分程度早い。横尾には51分で着く。いや実に速いペースなのだ。急いでいるわけでもないのだが。

横尾でおにぎりを食べる。あまりに速いペースだったので、この先早く着きすぎるとやることがないなと考え、ここで30分くらい休んでしまった。


10時21分横尾出発。30程度で槍見河原到着。久しぶりに肉眼で見る槍。遠い。

そこから10分ほどで一ノ俣の橋。ネットでさんざん見ていた橋が目の前にあるというのはなんか感動する。

さらに10分ほどで二ノ俣の橋。ここからやや登りになる。

槍沢ロッヂの標高が1820Mで、横尾が1610Mだから、約200Mの登りだ。ちなみに、ババ平は2080M。ということは、今日は後470M登らなければならない。もっとも、次の日はさらに1200M登るのだ。底まで考えると憂鬱になるのだが、とにかくひたすら前進するだけだ。

ちょっと登りが辛く感じられた頃「もうすぐ槍沢ロッヂ がんばって」の看板が。でもこの「もうすぐ」というのがどのくらいなのかが非常に気になった。ただ「もうすぐ」と言われても5~25分くらいの幅があると思う。「あと10分」と言われた方が実際は20分かかっても、この時の精神状態的には楽になると思うのだが…。

それはさておき、結局、ここから10分でロッヂ到着。11時43分。上高地から5時間はかかるとふんでいたが、実際は休憩を入れても4時間とちょっとで来てしまった。俺って健脚? なんて思いながら結構満足でしばし休憩。

今日はあと30分くらい登るだけだから気は楽だ。カップラーメンを食べベンチで一眠りする。起きてもやることなし。さっさとババ平に行ってテントを張っても良いのだが、あまりの天気の良さで、たぶん、日陰のないテント場は地獄ではないかと想像したのだ。
2時間ぐらいうだうだして、1時42分ロッジ出発。結構シビアな登りにハアハア言いながら36分でババ平到着。ネットでおなじみの光景が広がっていた。

しばし休憩の後、テントを張る。
さらに今日のディナー、キムチ鍋を作り、そしてビール!

翌日の登りを考えると気が重くなったが、天気もいいし、ビールも鍋もおいしく、この時はなかなか満足の気分だった。

で、夜。前記のように暗くなるのである。

そうしながらも寝てしまった。でもぐっすりとは眠れない。何度か目を覚ます。3時過ぎだったろうか、チャリーンと鈴を鳴らしながら誰かが通った。まだ真っ暗である。槍沢ロッヂからだと思うが、随分早いなあ、と感心してしまう。同時に鈴の音がこの世のものではないようで、播隆上人ではないか、などと震えてしまった。

また寝てしまって起きたのは5時。5時半に出発しようと思っていたのにこのていたらくだ。でも、最後の2時間はぐっすり眠れた。寝起きも良かった。急いで支度を始める。

が…。作った朝食「キムチ雑炊」がいただけなかった。朝っぱらから食えないし辛いし、量が多すぎた。完全に失敗。ジプロックにつめて置き去りにすることに決めた。

この日はテントと寝袋、マット他を置いて登ることを決めていた。情けないが、どうしてもテントをかついで登れるとは思えなかったのだ。この判断は正解だったと思う。

だが、いざテントを置き去りにしようとする段になって、なんかそれを見ていたやつが「お、あいつ空身で行ったぞ。盗もう」なんて思うんじゃないか、とか考えて行けなくなった^^;

実際はそんなことないのに被害妄想になってしまう。と、もう一人の人も空身で行くらしく、テントのジッパーを閉めて歩いていった。ほっとした吉祥丸もジッパーを閉めて(念のためジッパーの位置を記憶して)、いよいよ、槍への道に一歩を踏み出したのだった。

写真説明:上の写真は上高地バスターミナル。人もまばらで寂しい。バックには焼岳が見えた。
次の写真は横尾から見る前穂東壁。天気がいいのでバッチリ見えた。
その下は槍沢ロッヂの広場に設置されていた望遠鏡。槍が見えるというので見てみたら、これがすごい望遠鏡で、穂先に立っている人が見えた。感動すると同時に本当にここに行けるんだろうか、と不安になる。
一番下の写真はババ平。閑散としていた。